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執筆者の写真中村英児

演技の学び方 -タマゴが先かニワトリが先か?-

アクトガレージ映像演技ワークショップ主催トレーナーの中村です。


演技の学びは多種多様です。


様々な考え方の演技トレーナーや演技指導者がいます。


そして学びの順序も様々です。


ここでは、演技の技術的な事ではなく、学びの順番とその意味を説明します。これは何気に深い意味があり、めちゃくちゃ重要な事ですので是非知っておいて下さい。特にこれから演技を学ぼうと思ってる方、演技の初心者の方、未経験者の方には必読です。


アクトガレージ映像演技ワークショップでは以下のような順番で演技のレッスンをレクチャーしています。


体験(タマゴ)→ 初級体験(ニワトリ)→ 初級コース(ニワトリ)→ 中級コース (タマゴ)→上級コース(ニワトリ)


つまり、


タマゴ → ニワトリ → ニワトリ → タマゴ → ニワトリ


です。なんのこっちゃですよね笑


これは単純に言えば、基礎から学ぶか?応用から学ぶか?という事です。


演技は順序立てて教えるのが非常に難しい分野でもあります。長い目で見ればもちろん基礎からしっかりじっくりと学んだ方が良いでしょう。ただ、事務所に入ってすぐオーディションが入ったとか、いきなり台詞のある役をもらったとか、オーディションに受かってしまったとか、バーターで配役されたとか。。。様々な状況があるかと思います。


俳優は、そのような状況にできるだけ早く対応しなければなりません。しかし、基本的な事に時間を掛け過ぎていても現場では通用しません。


だからこそ、基礎(タマゴ)を軽く学んでからすぐに、応用(ニワトリ)を学ぶのがアクトガレージのやり方です。


もちろんこれは、すぐに現場対応しなければならない俳優にも重要なやり方ですが、事務所に入っていない、演技未経験者・初心者も同様です。


アクトガレージでは、演技の基本的な枠組みをレクチャーした後に、すぐに実践的な台本レッスンを行います。そして、しばらく応用的(ニワトリ)なレッスンを行った後に、また基礎(タマゴ)に戻るのです。ここがポイントです。


演技の初心者の方や未経験者の方の大半は、いきなり台本レッスン(応用)をする事にとても戸惑いが生まれ不安になることでしょう。当然です。


しかしながら、演技は「疑問」を持つ事がとても重要なのです。


分からないながらも「自分で考える基礎的な思考」を育て、「自分の感性」で読解し、とにかく「表現に結びつけて」みる。その感覚を少しでも養う事で、基本を学ぶ意味が生まれます。つまり「打てば響く」状態が作れるのです。「なんとなく」演技の感覚を掴み始めたら、深く演技を追求できるタイミングがやってきます。


無理矢理ふ化させて、無理矢理またタマゴに帰す笑


最初はちょっと強引ですが、これをやらないと「分からない事が分からない」という演技独特の迷路に迷い込んでしまうのです。


分からない事が分からない状態を続けても、どうにかこなせるかもしれません。しかし、自分に自信が持てない時期が続き、どこかで足元をすくわれる事になるでしょう。


だからこそ、また基礎に帰り、スタートラインよりももっと戻る必要性があるのです。


分からない事が分かっていれば、基本的な言葉や意味が深く理解でき、「打てば響く」状態に導く事ができます。そして、学ぶ事の大切さを知り、演技がもっともっと好きになると思います。


上記のような理由から、アクトガレージでは「学ぶ順序」をとても重要視して演技レッスンを組み立て、個々の個性を失わせないレクチャーをしています。


ちなみにですが、演技を始めたばかりの方や演技未経験の方がいきなり監督ワークショップに参加しても、ほとんどの方は滅多打ちにされるだけです。監督は演技トレーナーではありません。自分の世界観を俳優に伝え、頭の中を具現化するための「演出」をするのが監督です。もちろん良い経験にはなるかと思いますがオススメはしません。コネクション目当てに参加してもむしろ逆効果です。最初は演技トレーナーの元で学ぶのが得策だと言えます。


また、どんなに経験を積んでも、タマゴに戻らなくてはならないのが演技です。演技は輪廻のようなものです。何周でも回ります。ただ違うのは、経験を積めば積むほどにその円は大きくなっていくということです。


演技を学ぶ順番を間違えないで下さい。


グッドアクト。


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※本記事に書かれた演技に関する学びは、執筆者である中村英児が自身の俳優・監督・トレーナーとしての経験に基づき、独自のメソッドとして伝えています。記事の無断転載はお控えください。

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 中村英児

 (アクトガレージ主催トレーナー)

 俳優 映画監督 映像クリエイター

 株式会社プロダクションガレージ代表取締役(映像制作会社)


日本映画監督協会会員。1999年より俳優として活動。俳優業の傍ら、Vシネマでの脚本執筆をきっかけに、監督として長編映画8本を制作し都内単館映画館で次々とロードショー公開。企業のプロモーションビデオも多く手掛け、2017年、映像制作会社を設立し代表に就任。主な出演作に「アウトレイジビヨンド」(北野武監督)、「任侠ヘルパー」(準レギュラー/フジテレビ)、主な監督作品に「SAMURAI SONG」、「ニャチャンへ続く道」(ドキュメンタリー)、「つながり」(はづき虹映監修)等がある。アクトガレージでは主催トレーナーを務める。監督・俳優としての両面から指導出来る事が強み。

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