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執筆者の写真中村英児

演技力のある俳優とは?俳優の「使命」。

グッドアクト!アクガレージ主宰、監督の中村です。


演技力。


俳優なら誰しもこの力を身に付けたいですよね。


ではそもそも「演技力」とは何のなのか?


演技力=演技の総合力です。


ただ、このように広くとらえてしまうとキリがないのでここでは着眼点を絞りたいと思います。


演技の最終目的、使命とは、ズバリ「視聴者の心を動かす」事です。


俳優の演技によって、観た人に笑いや涙、感動などの普段体験する事の出来ない感情を与える事です。


これは並大抵の事ではありません。


もちろん、俳優の演技だけではなく、脚本、構成、演出、音楽、映像効果など、様々な要因が上手く重なった結果達成できるものです。


ただ、俳優はその最重要とも言えるポジションを担っているという事は間違いありません。


「視聴者の心を動かす」のに必要なものは何でしょうか?


その一つは「俳優自身の感情」です。もう一つは「信憑性」です。


そもそも俳優の感情が動いてないのに視聴者の心は動かせないのです。


【俳優自身の感情】

つまり役の感情が信じられるもので、視聴者が集中力を失わず、役の感情と共にドラマを見続けられることが出来れば、俳優の「使命」である、「視聴者の心を動かす」という目的が達成できるのです。


役の感情を作り出すためには、俳優自身がその感情を深く追求し、理解している必要があります。つまり「役の感情=俳優自身の感情」でもあるのです。※この感覚はまた別の記事で。


小手先の演技や、力づくで俳優の感情が伴っていない状態では、到底その演技を作り出す事は不可能でしょう。俳優の感情が伴ってこそ、観ている人の心が同調・共鳴し、動くのです。


【信憑性】

視聴者は無意識レベルで嘘を見抜きます。ドラマを観ていて何だか面白くない、何だか嘘臭い、何だか見る気がしないと観るのを止めた経験が誰しもあるかと思います。そのドラマに好きな俳優が出演していても同様の事があり、逆にあまり期待していなかったのに思わず見入ってしまう事もあるのではないでしょうか。その判断基準の大きな要素の一つに、俳優の演技の真実味、信憑性があります。つまり、今自分が見ているものが信じられるか?という事です。常に視聴者は無意識にその判断をしているのです。


つまり、「集中して見る事のできる演技=リアルな演技」なのです。逆に言えば「集中できない演技=嘘臭い演技」となります。視聴者は俳優が嘘臭い演技をしていたら途端にシラけてしまい、興味を無くす事でしょう。


ここで言う「リアル」とは、自然さ、日常的、信憑性(信じられるもの)を含みますが、特に感情のレベルが高い時の演技を差します。「見せ場」という事ですね。つまり、感情が高い見せ場の演技も、真実味が伴ってなければならないという事です。


「見せ場」というのは喜怒哀楽の感情がピークに達した時の演技の事を指します。ドラマチックという言葉があるように、ドラマは構成によって役の人物の感情を追い込み、「見せ場」を常に意識してそこに向かっていき、その感情を視聴者と「共有」する事で感動を生み出していきます。


低い感情での何気ない日常的なリアル演技、そして高い感情であってもリアルさを失う事の無い「見せ場」の演技、俳優はどちらも出来なければなりません。


「演技力」とは感情レベルが低い時も高い時も、視聴者を引き付けて離さない「信憑性」を持ち合わせた演技の事。


そして、低い感情と高い感情で信憑性を伴って演じる事ができる「幅」の事を言います。


いかがでしょうか?


演技の未経験者・初心者の方は、感情の高低を表現する「幅」が狭く、嘘臭い演技をしてしまいがちです。演技力のある経験者は感情の高低の幅が広いだけでなく、それに「信憑性」を伴って表現する事ができるのです。


ただ、ここで伝えておきたいのは、「視聴者の心を動かす」という使命は誰もが出来る事ではないという事です。演技経験が長ければ出来るかというとそうではありません。逆に言えば演技経験が浅くても出来る人もいます。。。演技力には「センス」という言葉も含まれています。。。(という「含み」を今後の為にあえて残しておきます)


「演技力」を語るには様々な多角的視点が存在します。今回は「俳優の使命」をテーマに演技力という言葉の意味を追求してみました。


今後の演技の参考にしてみて下さいね。


グッドアクト!

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※本記事に書かれた演技に関する学びは、執筆者である中村英児が自身の俳優・監督・トレーナーとしての経験に基づき、独自のメソッドとして伝えています。記事の無断転載はお控えください。

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中村英児 (アクトガレージ主催トレーナー)

俳優 映画監督 映像クリエイター

株式会社プロダクションガレージ代表取締役(映像制作会社)


日本映画監督協会会員。1999年より俳優として活動。俳優業の傍ら、Vシネマでの脚本執筆をきっかけに、監督として長編映画8本を制作し都内単館映画館で次々とロードショー公開。企業のプロモーションビデオも多く手掛け、2017年、映像制作会社を設立し代表に就任。主な出演作に「アウトレイジビヨンド」(北野武監督)、「任侠ヘルパー」(準レギュラー/フジテレビ)、主な監督作品に「SAMURAI SONG」、「ニャチャンへ続く道」(ドキュメンタリー)、「つながり」(はづき虹映監修)等がある。アクトガレージでは主催トレーナーを務める。監督・俳優としての両面から指導出来る事が強み。

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